メーカD社の常務取締役Yさんより、過去のビジネスにおける失敗事例を教えていただきましたのでご紹介します。Yさん、新たな気づきをいただき、有難うございます。
1.他社への依存度合いが高すぎた!
Yさんはある装置を日本で最初に開発した方です。その装置のキーとなる材料について、大手企業Aに開発を依頼していたところ、企業Aが開発をやめることを決定し振り回されたそうです。
Yさんは、他社と組むときは、自社での50%以上の主導権が握れない場合には事業を進めるべきでないとおっしゃいます。
2.やめたいけどやめられない!
D社は地場の有力企業です。新規開発製品について宣伝したところ、地元からの期待が予想を超えて大きくなってしまい、開発が立ち行かなくなってもやめられない状況に陥ったそうです。
D社の場合は地元の期待を裏切れないという思いが大きかったようですが、それまで投資した額や労力(時間)を考えると、経営者としては引き際の判断ができず、「やめよう」などと言える雰囲気ではなくなるのです。その結果、ズルズルと事業を継続してしまいます。
このような事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によっても戻って来ない投下資金または投下した労力を埋没費用(サンクコスト)といいます。
新規事業を始めるときは、夢や期待が大きく、撤退のことを言い出すのは(組織なら尚更)気が引けますが、撤退ラインを明確にして経営層で共有しておくことが重要と考えます。
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